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第43話 設備改修による省エネルギー

 現在使用している設備を能力が同等以上で高効率の設備に改修すれば、現在と同じ条件で運用しても省エネルギーになります。
 また、複数の設備を集約して高効率の装置に集中させることにより総合的にエネルギー効率を高くするとか、 逆に集中型の冷暖房を分散化して用途や部屋毎に分散管理できるようにして運用改善と併せて総合的にエネルギー効率を高くすることでも省エネルギーになります。

例として、
・照明設備の高効率化(FL管、FLR管の照明設備をHf管の照明設備に改修、高効率水銀灯への改修など)
・空調設備の高効率化(熱源の改修、搬送システムのインバータ化)
・遮光、採光、建物の断熱性能向上
・生産設備の高効率化
・熱源の高効率化
・コージェネレーションシステムの導入
などアイデア次第で、様々なものが考えられることでしょう。

 設備を高効率なものにすれば省エネになりますし、当然エネルギーコストも低減します。しかし、いくらコストが安くなるからといっても、こういう御時世ですから おいそれと改修するという訳には参りません。経済効果を慎重に検討すべきです。そのためには何らかの指標が必要となります。

 そこで登場するのが、

  償却年数 = 設備改修に要する費用 / 設備導入によって年間削減できるエネルギーコスト

です。この指標は実務でもよく使用されています。(参考:第4話 省エネ提案書の不思議)

  償却年数 < 導入設備の耐用年数

であれば導入の価値があります。特に現在の設備が耐用年数を経過しているとすれば、何れ改修しなければならないのですから積極的動機になります。
ただ現在の設備が導入後間もない場合には税法上の減価償却との絡みも出てきますので、こちらからの検討も必要です。

 さて、ここでも問題になるのが導入効果の試算です。照明設備のように比較的簡単なものもありますが、空調設備などはかなりの誤差がつきまといます。 空調機メーカーでさえ同じ物件の試算を依頼しても結果が大きくことなることが往々にしてあります。
 ですから試算結果については、それ相当の安全率を見込んで(空調メーカーも安全率を見込んで計算しているとは思いますが・・・)費用対効果を検討すべきでしょう。

 費用対効果の試算などの煩雑さを避けて、比較的容易に導入するためにESCOEnergy Service Company)事業者を活用するのも有効な手段です。 その際には業者の選定やESCO契約を慎重に検討し不測の不利益を蒙らないようにしておくことは言うまでも無いことです。

 また、費用対効果を良くするために「エネルギー使用合理化事業者支援補助金」などの補助金制度を活用することができます。
補助金獲得のハードルは高いのですが、大規模な設備改修が必要なときには、是非とも検討されることをお勧めします。

<参 考>
第13話 電球型蛍光灯による省エネルギー
第21話 デマンド管理による省エネルギー
第22話 インバーターによる省エネルギー
第23話 エアコンの省エネルギー
第25話 自動販売機の省エネルギー
第30話 温度管理によるエアコンの省エネルギー
第49話 LED照明による省エネルギー
第109話 無電極放電ランプについて

2008/12/09新規

2013/10/01更新


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