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第36話 見える化によるコストダウン

 我が家では「省エネルギーセンター」主催の省エネコンテストに参加したこともあって、 本年1月から省エネを実践しております。省エネセンターさんから「省エネナビ」を貸与していただき本年のデータを取得しながら取組んでおります。
昨年のデータは電力会社の検針票をもとに月別の電力使用量を登録して、そこから6%削減を目標(チームマイナス6%に由来)にしてきました。

 未だ一年経過しておりませんので、確定的な実績ではありませんが、一番使用量が多いであろう夏場を過ぎましたので、余程のことが無い限り削減量が大幅に変わることは無いと思います。
1月〜10月までの電力会社の検針票で比較すると対前年比27.3%の大幅削減ができました。

 このような大幅ダウンができたのも「省エネナビ」のお陰であると思っております。
というのも設備といっては大げさですが、物理的対策として実行したことといえば、白熱電球(54W×8個)を電球型蛍光灯(12W)に取替えたことと 冷蔵庫に冷気漏れ防止用のシート(100円ショップで入手)を取付けたくらいです。
その他は運用改善による効果ということになります。

 「省エネナビ」には、日、週、月毎に目標値が設定(前年度比の削減目標を設定すると自動的に計算される)でき、現在の使用実績によって予測演算を行っており、 このままの状態で推移した場合に目標が達成できるか否かを数値やアイコン(ニコニコ顔など)で知らせてくれます。目標をオーバーしそうな時には、数値やアイコンで知らせてくれますので、 この段階で使用量を減らせば目標値以下に抑えることができるようになっております。「第21話 デマンド管理による省エネルギー」 で書いたようなデマンドコントローラの家庭版ということができるかと思います。

 また使用電力量(kWh)表示のみでなく、金額(円)、CO2排出量(Kg)、使用エネルギー(MJ)での表示も可能です。
例えば、金額表示にしておくことによって電気のことが解らなくても身近な量として電気の使用状況を把握できるようになります。

 これだけでも使い方によっては充分に効果を発揮することができます。「省エネナビ」を導入して一ヶ月間はもっぱら、予測値の活用だけで対前年比15.0%の削減が できております。

 「省エネナビ」には、先述の機能に加えて1時間毎の使用電力量を記録することができます。これらのデータは簡単な操作でパソコンに取り込むことができ、パソコンで 集計したり、グラフ化することによって電力の使用状況を正確に把握することができるようになります。これらのデータを元に取るべき対策を立て実行に移します。
そして実行結果を更に分析してといった、PDCAサイクルを廻すための強力なツールとして活用することができます。
 このようにして、1月からスタートした省エネ実践結果が先述の数字となって現れてきたものだと考えております。

 我が家での取り組みは現在のところ電気のみですが、私自身は自家用車の燃費(Km/l)改善にも挑戦しております。
これも1月からスタートして、今日現在実績で対前年比9.7%の削減となっております。これは給油する度に走行距離と給油量の記録をとっているだけです。 そして急加速など燃費悪化につながるような運転をしないように気をつけているだけのことです。これだけで10%近い削減ができております。

 細かいデータを取れば、そのデータを詳細に分析できますし、その対策もより緻密にできると考えられます。
これは以前勤務していた会社(参考:第3話 省エネルギーと行政書士(3))が工場の生産管理システムの開発を主業としており、 各工程における各種データをリアルタイムに収集し「見える化することによって生産性を向上」させるといった考えに基づいた製品を開発しておりました。 ですから私にとって「見える化」ということは、骨の髄まで染付いた考えみたいなものであります。

 ただ詳細なデータが無ければ何にもできないかということでもありません。先程の燃費の改善例のように単に走行距離と給油量の記録だけでもかなりの効果を出せます。
全くデータが無いところから、少なくとも燃費(走行距離と使用量)という会計データでは得られない(ガソリン代などの勘定科目では金額のみで使用量が判らない)データ(武器)を手にしたということが重要なのです。
どのような武器でも宝の持ち腐れでは意味がありません。これをどのように活用して行くかが問題なのです。

 見える化する方法は、「省エネナビ」の導入といった費用のかかるものや単に記録するだけといったようにそれこそ多種多様です。 対象としているものに最適な手法の選択が必要です。

 如何に低廉な費用(取得する手間も費用の内)で最大の効果を得ることができるのが腕の見せ所といえるのでしょう。


<2011/10/13 追記>
 電力計測システムの端末として携帯端末(iPhone,iPad)を活用した「見える化ツール」が登場しました。アイデア次第で、色々な活用法ができると思います。
詳細は「第120話 携帯端末を活用した電力計測システム」をご参照ください。

<参 考>
 第55話 家庭でできる電力測定と省エネ活動
 第67話 エコドライブへの挑戦
 

2008/10/26新規

2011/10/13更新


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