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第3話 省エネルギーと行政書士(3)

 かいつまんでといいつつも第3話まできてしまいました。ここまで読んでいただいた忍耐に敬意を表します。ついでですので今しばらくお付き合いください。

 事務所の仕事は徐々に増えつつありましたが、なかなか採算ラインまでには至りませんでした。
当初は身の丈も考えず、佐賀駅近くに事務所を借りたり、パソコンを導入(当時の事務所は和文タイプか精々ワープロという時代でした。自慢にもなりませんが、私も和文タイプを打ったことがあります。) したりと事務所の固定費が掛かりすぎたのが禍しました。開業三年にして岐路に立たされてしまったのです。
 元々開業に反対していた連れ合いとの約束が3年間やってみて目途が立たないならばというものでしたので、真剣に身の振り方を考えたのでした。

 泣く子と地頭(連れ合い)には勝てず、潔く撤退することとしました。といっても事務所を自宅に移し、会社勤めをしながらの二足の草鞋を履くことと相成ったのであります。
このような我侭をきいてくれたのが、生産管理システムの開発・製造をしているC社でした。大学時代の先輩から引っ張っていただき、マイコン応用システムの開発をすることとなりました。
自宅事務所ですからほとんど経費もかからず、安定収入を得ながら好きな仕事だけできるような環境となったのですが、 逆に何が何でもこの道で食っていくぞといったガッツも失ってしまったような気がします。

 この会社では種々のシステム開発をしてきました。その中には補助金を受けて開発したものもあります。補助金申請のノウハウを学んだのもこのときです。
そうこうしているうちに7年位経過した頃でしょうか、社内で省エネ機器を開発する話が持ち上がり、何の因果か私が担当となってしまいました。 このようにして再び省エネ業界との接点ができてしまったのです。

 2年位かけて数種類の製品開発はできたものの、そこはメーカーの悲しさです。どうやって売っていいかわからない。
生産管理システムの営業担当では、省エネ業界のことが良くわからない。現場調査の仕方、提案書の書き方、代理店のサポートなどなど全て勝手が違うのです。
結局は開発した本人が一番良くわかるだろうということで、営業から導入工事・アフターサービスを含む省エネ関連全般の担当者とされてしまったのです。
それ以来、十数年間この業界に身をおくことになってしまいました。
 残念ながらこの会社は数年前に倒産してしまい、これを潮に省エネ業界から身を引こうと思いもしましたが、 省エネの社会的意義を考えるとこのままで終わってしまってはいけないと思い直し、 自分なりに何ができるだろうかと試行錯誤の日々を送っているところです。

 省エネ業界の話は追々することとしますが、行政書士をしながら省エネの仕事をするに至った経緯を簡単に書かせていただきました。

<2016/04/27 追記>
 デマコン開発の経緯や省エネ業界については、こちらにも⇒「省エネ屋のつぶやき(1)


<参 考>
 第17話 ハード屋とソフト屋
 第21話 デマンド管理による省エネルギー
 第61話 行政書士について

2008/04/27新規

2016/04/27更新

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