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第99話 農業ことはじめ(7)−自然農法について

 有機農業を実現するために色々と調べておりましたところ「自然農法」というのがあることを知りました。その定義は色々とあるようですが、最も自然に近いのが、 不耕起、不除草、無肥料、無農薬というものです。つまり自然のあるがままに任せるといったことになります。ただ、目的は収穫を得ることですから、少なくとも種蒔き はしなければなりません。これが人間が自然に対してなす唯一の行為です。
 種蒔き以後は、自然の営みに委ねてしまうことになります。そして蒔いた種が収穫できるかどうかは、自然が決めてくれることになります。 果たして、そのようなことができるのでしょうか?
 私にはとんと見当が付きかねます。もしそれを実現できるとすればものすごく魅力的に感じます。

 四の五の言っていても仕方ないので、とりあえず大豆を刈取った後の5アール程の田んぼで「自然農法」なるものを試験的に取組んでみたいと思います。 ただ、不除草というのはしっくりこないところもありますので、これを除く不耕起、無肥料、無農薬でやってみます。 雑草(作物以外の草の総称)は、背丈が高いもののみ刈取ってマルチ代わりに使用することにします。

 さて、以前「有機農業」を目指したいと書いておりました。この「有機農業」と「自然農法」とどのように異なるかということですが、これも色々と議論があるかとは思いますが、 私の理解によれば、化学肥料を使用せず、堆肥などの有機肥料を使用した農業のことを指しているものと考えます。その他は一般的な農法によるということになります。従って、耕したり農薬散布することもある でしょう。ただ有機農業を実践しておられる方は、無農薬も同時に実践しておられることが多いように思われます。私もそのようにしたいと考えておりましたし、実際に野菜類は 無農薬で栽培しております。
 それがなぜ「自然農法」に宗旨替えしたかといいますと、堆肥を作る際にどうしても牛糞などの家畜糞尿を使用することになります。これは堆肥の材料となる稲藁や麦藁は 炭素の含有量が高いので窒素分を補う必要があります。これに糞尿を用いるのですが、この家畜糞尿が問題だと思ったからです。といいますのもこの家畜の飼料に何が用いられて いるかが分かりません。例えば、牛の飼料ですが純粋に牧草だけとは考えにくいと思います。おそらくは輸入飼料が与えられているものと思われます。そこにはどのような 農薬が用いられているか、あるいは抗生物質などが添加されている可能性すらあります。
いくら有機・無農薬といってもこのようなところから工業的に製造された化学物質が混入してくる可能性があることを考えると、自分自身で家畜を飼育でもしない限り 本当の有機農業はできないということになってしまいます。 極々微量でしょうから考えすぎかも知れませんが、そこはやはりこだわりを持ちたいと思います。使えば便利だから少量の農薬なら構わないだろうと なし崩し的に農薬を容認してしまう結果にもなりかねませんから・・・。
 ということをツラツラ考えていたら、やっぱり「自然農法」しかないのかなと思い当たった次第です。
その土地や土壌の状態に合った作物が何であるか分がかりませんので、多くの種類の作物を少量ずつ試してみたいと考えております。

 何が採れて何が採れないか、結果は自然のみぞ知るということです。後日ご報告させていただきたいと思っております。それにしても何時も思うのですが、 新しいことを始めるのは楽しいものです。どのようなことにあいなるやら、今からワクワクしております。

<参 考>
第91話 農業ことはじめ(3)−土壌改良
第95話 農業ことはじめ(5)−有機農業

<2012/12/06 追記>
耕さない農業」 「雑草と共存する農業」 「害虫といわれる昆虫について(農薬そして雑草と共存することについての一考察)

<2013/07/09 追記>
自然農について

<2014/03/04 追記>
省エネ農法〜自然農ことはじめ(自然の掟に従い、エネルギーを極力使わず栽培する農法、それは耕さないことから始まります。自然農への挑戦を綴ります。)

2010/10/17新規

2014/03/04更新

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