第9話 悪徳省エネ業者
この世の中、悪徳商法(悪質商法)の数知れずといった状況でしょうが、ここでは省エネにまつわる悪徳商法ないしは悪徳業者の話をしてみたいと思います。
悪徳省エネ業者は、概ね次のように分類(私の勝手な分類ですが)されます。
・省エネできないものにも係わらず省エネになると偽って販売
・ある程度省エネにはなるが省エネできる量を不当に大きく提示して販売
・不当に高価に販売
・機器の設置やサービスの不完全履行
・解約に応じないか多額の解約手数料や違約金を要求
あるいは上記の複合したもの。
省エネにならないものを省エネになると称して販売することは犯罪行為であり論外のことです。
しかしながら、このような製品であっても代理店や売り子さん達は省エネになると信じ込んでいるケースが多いので余計に始末に悪いものです。
代理店になるために多額の保証金を積んでいるとか商材の事前購入をしていることも多く(省エネメーカーはそれが狙いだったりします)、
この場合には、ある意味では代理店も被害者と言えなくもないかも知れません。だからといって販売行為が正当化されるものでないことは言うまでもないことです。
またメーカー側の人でも信じ込んでいる(特に技術屋以外の社員、なかには技術屋自身も)こともあり、まさに一丸となって売りまくるものですから被害も多発します。
おまけに短期決戦で売り逃げして店じまいしてしまうというのが多いのもこの類型の特色です。
そして新たな社名と商材を掲げて同様なことを繰り返すのもその特徴のひとつです。
省エネ量を偽って販売するとか費用が不当に高いというのもよくみられるケースです。
前に(第4話 省エネ提案書の不思議)書いた償却期間3年の法則(?)が働いているものと考えられます。
不完全履行は、業者が見積を失敗して工事費用が掛かり過ぎるため設置台数を誤魔化したりする場合(設置台数を勝手に減らしてしまう)や
取付け不能である機器を勝手に除外する場合(提案後に取付できないと判明したときなど)などにみられます。
前者は業者側の責任ですから業者の負担とすべき事柄ですし、後者の場合には省エネ量が提案より減少するわけですから事前に導入先と協議して、
値引きするなり何らかの対応をすべき事柄です。
しかし、実際には知らぬ顔を決め込み何事も無かったかのように工事完了し正規の売上を計上します。業者の不誠実さが窺える行為です。
このような場合には当初予定した省エネ量が達成されるはずも無く、後日トラブルが発生することは疑いようがありません。
そしてこのような業者に誠実な対応など期待できようはずもありません。
そこで解約を申し出ると最後の類型のおでましとなる次第です。
このように書いてしまうと、とても省エネなんてやってられないと思われてしまうと私も心外ですので、このような業者の見分け方をお話しておこうと思います。
絶対確実な見分け方ではありませんが、今までの悪徳業者の表面的な共通項として
・カタログが異常に立派・豪華であること
・導入先(分厚い導入実績表なるものが用意されています)に有名企業がズラリと並んでいること
・大学教授や有名人などの推薦をひけらかしていること
・公的検査機関の試験結果をひけらかしていること(実際には何の試験結果なのか明らかにされていない)
・省エネ効果(例えばエネルギー総使用量の10%以上)や費用対効果が異常に高いこと
・動作メカニズムの説明がない、できないこと
・特許取得をことさら謳っていること
・何も問題が発生しないということをアピールしていること
・契約するまで毎日のように営業を掛けてくること
・今導入しないと損するとか、法律が変わる前に導入することを勧めるなど強引に契約を迫ること
などが挙げられます。
表面上これらのことがいくつかでもみられた場合には一応疑ってみる必要があります。しかし、これで全てではないでしょう。
もっと巧妙な業者や新手の業者が現れることも考慮してご検討ください。
最後に「省エネルギー」することは必要なことです。良心的な業者を選んで省エネに貢献していただけるよう念願いたします。
<参 考>
第5話 コストダウンと省エネルギー
第39話 省エネ商法について
第47話 省エネルギー効果検証について
2008/05/05新規
2009/01/28更新
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