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第2話 省エネルギーと行政書士(2)

 省エネに関わるようになったのは、開業2年目になったころのことでした。
会社設立に関与した広告代理店の社長のもとへ、某新聞社の部長を通して省エネシステムを販売してみないかとの話が持ち込まれました。
会社設立後は、その会社の顧問として経理記帳代行や経営相談にのっておりました関係で、業者との打ち合わせに同席してくれないかと依頼されました。 私も面白そうな話が聴けるかと思い二つ返事で了解しました。そこに現れたのが某有名筆記具メーカーの営業部長さんでした。  人品骨柄卑しからず、さすが大手メーカーの営業部長さんは違うなと妙なところに感心しておりました。
紹介された商品は、いわゆる「減設システム」といわれているもので、高圧受電設備のトランス容量を小さく(適正化)することで、基本料金の低減を図るといったものでした。
省エネルギーというよりコスト削減を狙ったもので、削減できる電気料金からリース料を支払ってもお釣りがくる(お釣りの部分は純利益)ことになり、 大変売り易く、お客様からは感謝されるといったこの上も無く良い商材であるのと触れ込みでした。
 当の社長は、直ぐその気になってその場で代理店契約しそうな勢いでしたので、とりあえずこちらも商材について研究しておくので、メーカーの詳しい説明を聞かせて もらうこととして、再度打ち合わせの機会をもつこととしました。

 当方は、コンピューターやエレクトロニクスの知識は多少あっても強電の知識は余りに乏しく、早速本屋へ走り電気関連の書籍を購入し俄か勉強を始めました。
受電設備、V結線、力率改善のことなど一通り勉強してみて、なるほどいかがわしいものでも無いなとの感触をつかめました。 後はメーカーの説明に納得できれば、取扱っても良いのではないかと思いました。

 メーカーの社長と専務から説明を受け、準備しておいた疑問点をぶつけ、何れも満足な返答がありましたので、後は社長の判断ですと申し上げた次第でした。
ここまでは顧問の仕事として至極当たり前の業務(サービス過剰かも知れませんが)であったわけです。

 総発売元が例の大手メーカーでしたから営業も結構楽かなと思っておりましたところ、悪戦苦闘しているとのことでした。 省エネ業者に対する不信感(詐欺的な業者による被害が横行したため)が強く、客先から電力会社や保安協会に問い合わせれば止めておいた方が良いと言われたりで、 なかなか受注に至らないとのことでした。
当の社長ときたら全くの文系で、電気の知識は全くといってよいほど持ち合わせていないようでした。 その後も状況は好転せず、どうしたものかと相談を受ける破目になりました。 善後策の相談にのっている最中、突然「先生、一緒に営業廻ってもらえないだろうか?」との依頼を受けました。
一応、私も推薦した経緯がありますので否とも言えず、渋々ながらOKの返事をするとすかさず「技術顧問」の肩書きが付いた名刺が出てくるではありませんか!
私が営業に同行することは既に折り込み済みのことでであったのです。誰の入れ知恵かは、推察がつきますが・・・。
 こうなったら暫らくは、腹をくくって同行営業するしかないなと諦めともつかない心境でした。しかし、人の営業している現場をつぶさに観察する絶好のチャンスかも知れないと思い直し、 これも勉強だと思い気を取り直したのでありました。
 おかげさまで、数々の営業テクニックやノウハウを実体験することができたのは、この上も無い財産になっていると思います。

 これが省エネとの出会いです。その後、省エネ業界から遠ざかることになりますが、ひょんなことから再び省エネ業界と係わりを持つことになります。
このことは、また機会を改めて書くことにしたいと思います。

<参 考>
 第61話 行政書士について

2008/04/25新規

2009/04/08更新

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