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第11話 省エネ製品への買い替え

 省エネルギーを謳った新製品が続々と発売されております。より少ないエネルギー消費で同一の効果を発揮できることとなります。各メーカーの技術者の努力の賜物だと思います。
 しかし水を差すようで恐縮ですが、だからといって直ぐに買い換える必要があるかということです。こんなことを書いたらメーカーさんからクレームが来るかもしれませんが、 未だ使える製品を廃棄する訳ですから、もったいないと言えばモッタイナイ話です。
 それから他にも注意しなければいけない点があります。買い替えするときについでだからといって大型化・高性能化・高機能化してしまい、かえって増エネになってしまうこともあります。
例えば、液晶テレビにするときに画面サイズを大きくしたりとか、車の場合に1300ccを2000ccにするとかいったケースが考えられるでしょう。
 この点は、あくまで嗜好の問題ですからとやかく言える筋合いのことではありませんが、営業トークにのせられることなく、ほんのチョットでも結構ですので省エネのことを考えていただければと思います。

 以上のことをふまえて、今回は買い替えることで省エネになることを前提とした場合のことを考えてみましょう。
例えば、こういう場合は如何でしょうか。
新しいテレビ(A)が古いのテレビ(B)より10%省エネになるとしましょう。テレビ(B)は5年前に購入したもので、後5年は使えるものとします。 そして、5年後に最新式のテレビ(C)に買い換えるものとします。5年後には、更に技術革新が進んで、テレビ(A)よりも5%省エネになるものとします。

テレビ(B)の消費電力を100Wとすると、
テレビ(A)=100×0.9=90W
テレビ(C)=90×0.95=85.5W

となります。一日平均3時間視聴することととします。

テレビ(A)の10年間の消費電力=90×3×365×10=985.5kWh ・・・@

となります。

テレビ(B)の5年間+テレビ(C)の5年間の消費電力=100×3×365×5+85.5×3×365×5=1015.6kWh ・・・A

となります。その10年間の差A-@は30.1kWhです。(実際には、更に買い替えが際限なく繰り返されるのですが・・・。)
 
 また、平均視聴時間を30分減らした時の試算をしてみましょう。テレビ(B)の場合で計算してみると、

 テレビ(B)を30分減らした10年間の消費電力=100×2.5×365×10=912.5kWh

となり、@より削減できます。

 また、待機電力を1Wとし、3時間の視聴時間以外はコンセントを抜くようにすれば、

待機電力削減量=1×(24-3)×365×10=76.65kWh

となります。買い替えによる差A-@が30.1kWhでしたから倍以上の削減効果があります。

 これは、単に電気エネルギーのみを比較しただけです。現実には、廃棄処分とか様々の問題も絡んできます。
技術の進歩で時の経過と共に省エネ化が進むような場合には、直ちに買い換えるよりも寿命、その他の条件をよくよく考えてから買い替えを行う必要がありそうだということが言えそうです。

 上記の議論には、製品の機能とか嗜好などといった要素は一切考慮に入れず、単に省エネといった側面だけを捉えている点を念頭においてください。

<2014/08/25 追記>
 電力と電力量を混同しているのをよく見かけます。 「電力と電力量」で説明しておりますので、ご参照ください。

<参 考>
替えエコの具体的お奨め策(市民のための環境学ガイド)
第31話 効率化と浪費
第53話 景気浮揚対策案−「省エネ買い替え促進事業」
第66話 エコポイント制度にもの申す!

2008/05/06新規

2014/08/25更新


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