第78話 操縦訓練記(17)−タッチアンドゴー−その10
3/26の「ファーストソロ」以降、やっと二度目のTGLソロにでることができました。
同乗訓練にて、TGLを4回(レフトダウンウインド3回、ライトダウンウインド1回)、ゴーアラウンドを1回実施して、フルストップ。その後、セカンドソロに臨みました。
同乗訓練中に少し危ういところもありましたが、「ソロをやってみますか?」「無理しなくてもいいですよ?」との教官のお言葉です。
「やります!」と勢い良く返事をしたものの、若干心配なところもありました。ここのところの残暑と夜更かしで体調が万全ではありませんでした。
本来ならば、少しでも不安要素があれば、勇気ある撤退することが大切なことであろうと思います。
しかし、Wind240〜350,4〜6ktと比較的安定しており、このような絶好のコンディションの日はなかなか巡ってこないような気もしました。
そして、これを逃したらもう一生ソロフライトなんかできないのではかといった心境になっておりました。
というのも前回の訓練時にも「ソロに出ますか?」と言われていたのを躊躇してしまったことがあるからです。ソロに出たいという気持の反面、
ソロフライトに対する恐怖心がそうさせたのでしょう。
何故かと問われると答えに窮しますが、何となくそのような心理状態に追い込まれていた自分がいたのです。
セカンドソロは、WRY-29でFull stop and Another take offを3回行い、Full stopしました。最初のランディングは、自分でも驚くほどスムーズにタッチダウンできました。
停止位置も通常Inter section departureを行っているT2より手前に停止できましたので、Taxi downせずに停止位置からそのままTake offしました。
これで気が緩んでしまったのか2回目のランディングで少々パスが高めにアプローチしてしまい、修正があまり上手くいかないままにタッチダウンしたため大きくバウンドしてしまい、
危うくポーポイズになるところでした。一応バウンドに合わせてコントロールを操作(果たして適切な操作であったかどうか・・・)し、幸いにもバウンドは減衰し
(都合4回くらいバウンドしたと思います)、停止位置がかなり延びたものの無事に停止することができました。
本来なら直ちにゴーアラウンドのケースだと思います。勿論ゴーアラウンドが頭をよぎりました。しかし、スロットルを押し込む操作を行うことができませんでした。
これくらいのバウンドは何回か経験していましたので、上手く抑えれば何とかなると思ってしまったのです。しかし2回、3回とバウンドを繰り返します。
同乗訓練では教官と一緒に訓練しているY氏の三人が搭乗しておりますが、今回の場合二人分の体重と2時間弱の燃料消費分の重量が減っております。その分が浮き易くなっていたのでしょうか?
しかし、如何なる理由があったとしても判断が甘かったと言わざるを得ません。
このことがあって気が引き締まりました。3回目のランディングも少々高めのアプローチながら何とか無難に収まりました。最後は大阪便(Dash 8)の到着のためライトダウンウインドに廻り、
ホールドのため360を4回行いました。私の苦手とするライトダウンウインドでしたが、よたよたしながらも何とか無事ランディングできました。
長い長いトンネルでしたが、今にして思えば貴重な時間であり、この上もなく良い経験ができたように思えます。といいますのもファーストソロの時のビデオを改めて見てみると明らかに技量に
粗さが見てとれます。その後も毎回の訓練の様子を撮影したビデオを見てもその違いがなかなか判らず、何が問題なのか自問自答を繰り返しておりました。
いまやっとその違いが理解できたように思います。どこがどのように違うかを具体的に指摘しろといわれても言葉にすることが難しいのですが、やはり明らかに違いがあるのです。
ファーストソロに出た時の技量のまま、いい気になってソロに出続けていたらきっと何か良からぬことを仕出かしていたような気がしてなりません。
訓練を始めて早1年が過ぎました。「初フライト」が昨年の9/4でした。10回目のフライト以降ほとんどの訓練をTGLに費やしてきました。
ランディングに関しては、ショートフィールド、ノーフラップなどまだまだ課題が残っておりますが、やっと一段落した気がしております。
今後も様々な壁にぶち当たると思いますが、持ち前の暢気さで乗越えて行きたいと思っております。
現在までフライト回数44回、着陸回数225回、総飛行時間38時間50分となりました。(内、ソロの飛行時間1時間05分)
2009/09/07新規
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