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第115話 農業ことはじめ(11)−減反について

 来年は、我が家の田んぼが減反の当番になります。即ち、自分で食べる米も作ることができません。皆様と一緒で米の消費者になってしまう訳です。
おまけに大豆の作付けが強制されます。といいますのも集団営農なるものに加入しておりまして、この団体が転作に何を作付けするか決めているからです。 もちろん総会などで発言する機会は保証されておりますが、そこはそれ民主主義的な手続きによる多数決の原理とやらが働きますので、 一個人が何を言おうと多勢に無勢といったところでしょう。私が受け継いだ時には、既に当該集団に属しておりましたので、後は脱退するしか方法はありません。 しかし、脱退するには相当の勇気と不利益を甘んじて受ける覚悟が必要です。事実上、米作の道は閉ざされてしまいます。それはそれで米作をしないと割り切ってしまえば、 何ということもないのでしょう。しかし瑞穂の国に生まれ、米作ができる環境があるのにこれを行わないというのは何となくしっくりとしません。 少なくとも自分で食べる分くらいは自分で作りたいと思うのです。

 そもそもこの集団営農なるものは、どうも補助金がらみの組織のようです。国の政策がある一定規模を満たさない農家には補助金を与えないといったことになり、 その受け皿(救済策)として個別農家からなる組織を作らせたようです。要は個別にゴチャゴチャやるより、まとめて補助金を交付して、団体で勝手に分けよといったことでしょう。 いわゆる行政改革の一環だと思われます。
 私からすれば補助金があるから農業をやっているのではありません。何のかのと恩着せがましく言われたり、作付けを制限、強制される位ならむしろ貰わない方がましです。
どの道赤字なのですから、数千円とか数万円の補助金など初手から相手にしておりません。以前「第97話 農業ことはじめ(6)−今後の展開について」 で書きましたように大豆の栽培は除草作業でこりごりです。二度と大豆は作らないと宣言していたのに来年は強制的に作らされます。私だけ不利益を被るだけならば何と言うことも 無いのですが、何と組織全体の補助金に対して不利益になるとかということなので勝手なことはできません。
補助金を当てにしておられる方もいらっしゃるでしょうから減反には協力します。しかし転作作物にまでとやかく言われたくありません。 もっと自由にやらせて貰いたいものです。

 更に悪いことには、せっかく自然農法(第99話 農業ことはじめ(7)−自然農法について) を取り入れ不耕起を貫こうと思った矢先のことです。収穫の際にはコンバインハーベスタという重たい機械で田んぼを踏み固められてしまいます。 緑肥などで何年もかけて土作りをしていこうとしているのに一発で水泡に帰してしまいます。憤懣やるかたないとはこういうことを言うのでしょうか。

 未だ時間は残されておりますので、色々と方策を考えてみようとは思います。 しかしながら、村社会において尊しとされる「和」を乱してまで得られるものは果たして何なのでしょうか?

<2012/12/07 追記>
 結局のところ減反(転作)による大豆は、自然農法によるものと慣行農法によるものに分けて作付けしました。自然農法によるものの概略は、 「大豆の収穫」に記述しております。


<参 考>
減反政策について」 「減反政策について(2)

2011/07/18新規

2013/12/23更新

第111話 農業ことはじめ(10)


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