第73話 エコポイント制度にもの申す!−その2
やはりというか、危惧していた通りに増エネ方向に展開してしまいそうです。
当初はエコ製品選択そのものに関しての危惧であったのですが、今回の危惧はポイントの使用に関してです。むしろこちらの方が増エネに対する貢献度(?)が高そうです。
といいますのもエコポイントの交換商品情報なるものが発表されております。
全ての商品をチェックした訳ではありませんが、全体として景気対策的色彩が強いと感じます。公共の交通機関の利用に関する商品に関しては、尤もなことと思います。
また、そもそもエコを謳った商品に関しても一応頷けます。しかしながら、その他多くの商品は単なる消費拡大に便乗するの感を否めません。
例えば、各地域の特産品などですが、「この際売上を伸ばしたい!」、「全国の人に知らしめたい!」といった気持は大変良く理解できます。
私も田舎に住む者ですから、その気持は痛いほど分かっているつもりです。ですがあえて言いたい。
その特産品は、どのようにして全国の方に届けられるのでしょうか?
恐らくは、個別に運送事業者(まさか郵便事業限定ということは無いでしょうが)で配送されるのでしょう。
通常の流通過程と比べれば、かなりの増エネになってしまうのではないでしょうか?
別に、特産品だけを槍玉にあげるつもりは毛頭ありません。他の商品も似たりよったりだと思います。
要は、このエコポイント制度は消費拡大策(景気浮揚策)であるに過ぎないのです。ですから、エコポイントなどといった言葉を使わないで欲しいと考えます。
皆さんは、エコ活動に協力しているような錯覚をさせられてしまいます。エコに協力しているつもりが、逆に増エネに手を貸しているとすれば、何とも皮肉な話ではありませんか。
そもそも、何故エコポイントとしてポイントを付与することとしたのでしょうか?
省エネが目的であれば、キャッシュバックで十分な効果があげられるでしょう。そして、ポイント申請や交換などの煩雑な手続きは不要となったはずです。
まさかと思いますが郵便事業を助けるために郵送にしたとか穿った見方も出来ないではありません。そして、これもまさかとは思いますが天下り先を増やしたとか・・・。
「第53話 景気浮揚対策案−「省エネ買い替え促進事業」」でも書いていますように、景気対策としてならば、もっとストレートに
景気対策を謳えば良いのです。特産品の販促であれば、それなりの名目の予算をつければ良いのです。
家電と自動車業界だけへの対策は気が引けたのでしょうか、それでエコの美名を冠したと考えるのは見当外れでしょうか?
もしどうしてもエコポイント制度を活かしたいというのなら、エコポイントで交換できる商品は、その購入が省エネに繋がるものに限定すべきです。一方で省エネし、はたまた一方では増エネするのでは何のための制度であるか分かりません。
そういった意味では、「電球型蛍光灯」に交換することなどがもっと推奨されて然るべきであると思います。
せっかくの制度ですから、ほんの一時で消費してしまうものより、末永く省エネに寄与するようなものを消費者自らが選択することが肝要であると思います。
2009/07/02新規
「第66話 エコポイント制度にもの申す!」
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