☆空調温度管理方式と空調機制御方式−その1(サーミスタ)☆

 最近の空調機(エアコン)に使用されている温度センサーはサーミスタが主流です。 少し古手の床置形の比較的大きな空調機には、サーモスタットが使用されていました。
この2種類で、おそらく90%以上の空調機がカバーできると思います。

では、先ずサーミスタについて簡単に説明します。
一般的に空調機のサーミスタは、下図のように負の温度特性をもったものが使われています。即ち、温度が上昇すると抵抗値が指数関数的に減少します。
空調機は、サーミスタの抵抗値を計測して温度を検知するようになっています。



 「空調温度管理方式の特長」のところで、センサーを水や氷で冷やしてやれば、室温は設定温度よりも高く管理するすることができると説明しました。
例えば、空調機の冷房設定温度を25℃とします。ところが、現在の室温が28℃であれば、設定温度より高いわけですから当然ながら冷気を出して部屋を冷やそうとします。
にもかかわらず、室温を28℃に管理したいのですから室温が十分低いと見せかける必要があります。そのために下図のようにサーミスタの性質を利用します。 サーミスタは室温である28℃を示す抵抗値になっています。これに何がしかの抵抗値を付加すれば空調機からみた全体の抵抗値はサーミスタの抵抗値より増加していますから、 28℃より低い温度を検知していることになります。この検知温度が設定温度の25℃より十分低ければ(例えば20℃)、冷気を出さなくなります。 このようにして、実質的に室温を28℃に管理できるようになります。



暖房の場合には、逆に抵抗値を減少させることで、室温を高く見せかけて温度管理を実現しています。

下図のモデル回路のように空調室内機とサーミスタとの間に直列と並列に接続された可変抵抗器を接点で切り替えて抵抗値を増減して、空調機に対して見せかけの温度を示すようにしています。




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