ティータイム


第74話 操縦訓練記(15)−タッチアンドゴー−その8

 3/26のファーストソロ以降、長い長いトンネルの中にいます。
クロスウインドが強かったり、天候があまり良くなかったりとかの条件的要素もあるのですが、基本的には技量の問題です。 前回の訓練時には、今まで出来ていたことさえ出来なくなってしまいました。トンネルというより、霧の中を彷徨っているという形容の方が正しいのではないかと思います。

 その原因を突き詰めていくとスロットルの絞り込みから引き起こしに至るまでの一連の動作のタイミングとその操作量に行き着きます。それ以前のファイナルのパス・センター・エアスピードが正確に 合っているに越したことはありませんが、定期便が離着陸できる程の滑走路ですから、多少のズレは問題になりません。
 最後の詰めであるこの操作が安定しない限り、ソロへの道は遠いのです。しかし、何故できなくなってしまったのか全く理解に苦しみます。 少々ハード気味ではあったにしても取り立てて危険なランディングをしていたとも思えませんし、現状でも危険操作となるようなことはありません。
しかし、安定性に欠けるのです。毎回の操作が微妙に異なってしまいます。確かに毎回風やその他の条件が異なるのですから、仕方ないことかも知れません。 ですが、その条件の違いを修正しながら毎回安定したランディングを行うことが必要なのです。
 ある程度の方法論的なものは教えてもらっておりますが、最後は感覚的なもののようです。まさに会得するしかないのでしょう。

 TGLを繰り返し訓練しているので、ランディングの引き起こし操作を除けば、随分と安定してきたように思います。
偏流も若干後手には廻るものの修正が出来るようになったと思われますし、ベースターン・ファイナルターン時の高度ロスもほとんど無くなりました。
 また、ファイナルでのセンター及び降下姿勢の維持も随分と安定してきました。パスの修正が若干後手に廻ることが多いのですが、若干高めにアプローチすることが 多いので、接地点を少々先に延ばせば済む話です。
 ウイングローは未だにぎこちなさの域を出ておりませんが、以前ほどの苦手意識を持つことなく淡々とこなせるようになったと思います。

 この長いトンネルを早く抜けるに越したことはないのですが、最近はこの状況を楽しめる(?)ようになりました。以前にも書いたかと思いますが、TGLには飛行の全ての 要素が凝縮されていると思います。これを長期に渡って訓練できると言うことは、飛行の醍醐味を十二分に堪能できるということでもあります。
 元々、飛ぶこと自体に憧れて始めたことです。ナビはナビの楽しさはあるでしょうが、TGLはTGLなりの楽しさがあるはずです。 何となく負け惜しみに聞こえるかも知れませんが、TGLを存分に味わい尽くしてやろうと思います。
 そしてこの長いトンネルを抜けた暁には、どのような飛行場でも、どのような状況でも安全に着陸できる自分がそこにいることを信じて!

  現在までフライト回数38回、着陸回数191回、総飛行時間34時間05分となりました。(内、ソロの飛行時間0時間25分)


2009/07/07新規

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