第50話 走る行政書士(4)
今年に入ってからというより、昨年のレース出場以来めっきり走行距離が減ってしまいました。
結局、3月の大会参加は見送ることにしました。レース後2kg程体重が増加してしまいました。このままですとフルはおろかハーフも膝を痛めてしまいそうです。
私の場合、月間100km以上走らないと体重を落とせませんので、1日5km走るとしても20日以上必要です。1日の走行距離を延ばすのも手ですが、それもなかなか難しいものがあります。
休日に長距離走ることで稼ぐしかありません。このようなトレーニング方法にLSD(Long Slow Distance)というがあります。
文字通り、長時間、ゆっくり、長距離を走る練習方法です。これを初めて知ったのは、
佐々木功著「ゆっくり走れば速くなる」―マラソン・マル秘トレーニング(ランナーズ刊)
でした。最新の書籍では、
浅井えり子著「新版・ゆっくり走れば速くなる」(ランナーズ刊)
があります。
もともと私は7〜9分/km程度の速さでしか走れません。下手をするとウォーキングしている人から追い抜かれてしまうこともあります。
それでもこのトレーニングで十分に速くフルマラソンを走破できるという、私にとって、まさに福音の書であるわけです。
フルマラソンとなると現状では少なくとも5時間は走り続ける必要があります。ですから長時間走る練習をすれば、この関門はクリアできます。
また、ゆっくり走っても長時間走ることで長距離走れます。(距離=速さ×時間)
さて、「ゆっくりしか走ってなくてもレースでは、速く走れるか?」といったことについては、ここで詳しく書くわけにも参りません。
ご興味のある方は、前掲の書籍をご一読ください。
私の場合には、例え何時間かかろうが完走できれば良いと思ってますので、LSDしかやらないことにしています。
そして次のスタイルを貫いています。
・人と一緒に走らない
孤独が好きというわけではありません。退屈しのぎには話しながら走った方が良いこともありますが、一緒に走るとどちらかのペースに合わせないといけなくなります。
そうすると自分のペースが乱れます。そして妙な競争心がでてしまい、ついついオーバーペースになってしまいます。
・距離よりも時間を重視する
今日は何キロ走るぞではなく、今日は何時間走るぞといったことです。始めに距離ありきだと早く終わりたいがためにスピードが上がってしまいます。
最初に時間を決めておくと楽をしようと思って、逆にゆっくり走るようになります。
息も絶え絶えに「ハー、ハー、ヒィー、ヒィー」言いながら走っているのを尻目ににトロトロと走路妨害にならんばかりにゆっくりと走っております。
普段のジョギングペースは、8分/km程度ですから、5km走るのに40分もかかってしまいます。このペースでフルマラソンを走ると5時間38分程度のタイムです。
私はこれで十分に満足です。
・自分の世界の中に入り込む
ゆっくり走ることは退屈なものです。音楽や英会話を聴きながら走っていても、その内飽きてきます。コースを変えてもやはり同じです。
この退屈さを乗り切らない限り、LSDは長続きしません。
私の場合は、考え事をしながら走ることにしております。ですから平坦な周回コースにしています。車や他の交通があるような公道などを避けております。
それからメモを忘れずに持ち歩いて(持ち走ってと言うべきか?)います。以外に良いアイデアが浮かぶものです。
以前は、夢の中でアイデアが浮かんでいたのですが、朝起きた時にはすっかり忘れてしまっていることが再々でした。随分とモッタイナイことをしたものだと思います。
ノーベル賞物理学者の湯川秀樹先生は、常に枕元にメモ帳を置いておかれていたと学生時代に聞いたことがあります。
やはり凡人はそういうところにも手抜かりがあるわけです。少しでも見習おうと遅蒔きながら真似させていただこうと思っております。
といったところです。
走っていると血行が良くなるからでしょうか、それとも別の要因でしょうか、頭脳が活性化するように思います。他に何もすることが無いから、逆に集中力が高まるのかも知れません。
あるいは、走る苦行から逃れるための防衛本能が働いているのでしょうか。理由はどうでも構いませんが、とにかく長時間を費やすわけですから別の用途に使った方が、
合理的だと思います。
昨年のジョギングのトータル時間は何と124時間45分も費やしております。この時間を単に浪費させるか、貴重なシンキングタイムとするかは心がけ次第なわけです。
何はともあれ、走り続けることは体力維持と健康のために大切なことですから、気楽に取組んでいきたいと思います。
ひょんなことから次なる目標は、来年のヨロンマラソンになりました。
2009/02/06新規
2009/02/09更新
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