ティータイム


第117話 マルチジョブの勧め

 最初は「マルチビジネスの勧め」としようかと思っておりましたが、マルチ商法と誤解されそうでしたので、趣旨が少しずれてしまうかも知れませんが、 マルチジョブとしてみました。
マルチジョブもコンピュータ用語のものと誤解されてしまうかも知れませんが、とりあえず意味は通じると思います。

 「何でもできます。」は、「何もできません。」と同じこととよく言われます。確かにそのような側面を持っていることも確かです。 また「ジェネラリストであるよりもスペシャリストたれ!」とも言われます。
しかし「ジェネラリスト、かつスペシャリストたれ!」と言っても良いような気もするのですが、如何でしょうか。
 先述の「何でもできます。」の例は、「ジェネラリストでもなくスペシャリストでもない。」の場合のように思います。
 両方の良い側面の調和をとることが重要なことのようです。

 大企業は、多くの部門に別れ多くのビジネスユニットが動いております。これは巨大な組織を管理運営するために必然的に細分化された結果ではありますが、 結果的にリスクの分散化が図られています。
 これを小企業にも適用してみようというのが今回のテーマです。従いまして、組織などはそのままにして、ビジネスの数を増やそうといったことです。
 小企業がこれに対応しようとすれば、個人が多様化するしかありません。つまりは、一人何役もこなすことが要求されます。しかしながら質の低下は許されませんから、 必要なことはスペシャリストのジェネラリスト化です。
これはそんなに難しいことではないと思います。物理学者の寺田寅彦先生、湯川秀樹先生などは優れた研究者でありながら優れた随筆家でもあります。 一般的に専門的な知識や知見を学ぶ方法論は普遍的なものであり、他分野を学ぶに際しても有効に活用できるものであると考えます。

 「第64話 「この道ひと筋」に生きること」でも書いておりますように、不透明な時代に生き残るためには、 逆に一つに絞らない方が無難なのかも知れません。一種の確率的生き残り戦術とでも言いましょうか、いくつかのカテゴリーの異なるビジネスユニットを同時並列的に運用するのです。
確かに戦術的には、逐次投入、各個撃破の用兵に似ているので好ましいことではないように思われるでしょうが、ビジネスは兵力の多寡で勝敗が決するものとばかりは言えません。
 例え、局地的な戦いに負けても全体の利益さえ上がれば、会社は存続可能です。 ゲリラ戦のような戦いもあって然るべきです。神出鬼没、変幻自在に時代の状況に応じて変わりうることが大切なのではないでしょうか。

 「第56話 長所と短所(性格の自己分析)」でも書いておりますように私は飽きっぽい性格です。
これには理由があり、何か好奇心をくすぐられるものがあるとすぐにそれに反応してしまうのです。次から次へと面白そうなものが現れますので困ったものです。

 マルチジョブを提案するのは、どうも私の性格に由来しているもののようです。

2011/07/25新規


ティータイム-3Top山浦綜合事務所 Tel.0952-71-1075 Fax.0952-71-1095Top

Copyright(C) 2008-2011 Yamaura Office All Rights Reserved.