☆デマンド管理とは?☆



 デマンド管理を適切に行なうことで、契約電力の抑制や削減が可能です。ということは、基本料金が削減可能ということです。
では、デマンド管理とは一体何者かということが重要となります。



 上のグラフはある工場での実例です。8月のとある一日のデマンドの推移を30分毎にグラフ表示しております。時間の経過とともに変化しているのがお解かりいただけると思います。 これは、生産設備、照明、空調などの負荷の稼動状況が時間とともに変化した様子を示しています。
このグラフでは、13〜14時頃にデマンドのピークがあります。このように夏場のピークは午後に発生することが多く、そのほとんどは空調負荷に起因しているものと考えられます。
 最初から結論じみたことを書いてしまいましたが、次に本論であるデマンドについて説明していきます。

<デマンド>
 いわゆる最大デマンドといっているのは、電力会社の定義では、最大需要電力というもので九州電力の特定規模需要標準供給条件から引用すれば、
−以下引用−「需要電力の最大値であって,30分最大需要電力計により計量される値をいいます。」−以上引用終り−
となっております。
 電力会社の定義を若干補足すれば、最大需要電力とは需要電力(30分デマンド)の最大値(検針から検針までの間)で、30分最大需要電力計(いわゆる取引用計器)により計量される値ということになります。

 電力会社の最大需要電力計による計量の仕組みは次のようになっています。
時々刻々変化している瞬時電力を30分間積算して得られた積算電力量(kWh)を30分で割った値を需要電力(kW)としています。

需要電力(kW)=30分間の積算電力量(kW分)/30(分)=30分間の積算電力量(kWh)/0.5(h)

つまり、最大需要電力(最大デマンド)とは、瞬時電力ではなく30分間の平均電力で、検針から検針までにおける最大値ということになります。

<デマンド管理>
 需要電力(デマンド)とは30分間の平均電力ですから、30分の枠の中で使い過ぎた分をどこかで減らして凸凹を調整すれば、 最大需要電力を一定値以下にすることができます。これをデマンド管理といいます。

具体的には、30分のスタート時点から常に終了時点でのデマンド値を予測(あるいは、時点毎での使用量を想定)します。
その予測した値(使用実績)がデマンド管理目標(想定値)より大き場合、このままの状況で使い続ければ管理目標を超えてしまいます。
つまり、デマンドオーバーとなり最大需要電力(最大デマンド)が増加し、契約電力のアップにつながります。
これを防止するためには、何らかの手段で電力使用を減らさなければなりません。
 どれ位いの負荷を減らす必要があるか?
 どれ位いの期間減らす必要があるのか?
ということを考慮しながら、負荷を管理(入れたり切ったり)する必要があります。
人手でできないことはありませんが、デマンドのピークを迎えそうな時には、電力メータに張り付いて放送で指示を出したり、 時には自ら走り回って負荷の入り切りをしているということを聞いたことがあります。

<デマンド管理装置(デマンドコントローラー)>
 30分の間で勝負が決まってしまいますから、人手で管理するには並大抵のことではありません。
そこで、デマンド管理を自動的に行なう装置が登場します。いわゆる、デマンド管理装置(デマンドコントローラ)、 略してデマコンと呼ばれているものです。
 この装置は、30分終了時点(デマンド時限)でのデマンド値を予測して、目標値を超えそうだと何らかの警報を出します。
この警報は、目標を超える度合いに応じて数段階(3〜8段階のものが多いようです)あり、それらの警報段階に応じた負荷遮断信号(無電圧接点)を出力します。
また、ランプ表示やブザーが鳴動するようになっているのが一般的です。

 デマンド管理装置を使用すれば、先に挙げたメータとのニラメッコは不要になります。警報が出たら(ランプやブザーで知らせる)、手動で予め決めておいた負荷を切り、警報が解除されたら負荷を入れるというようにすれば、はるかに便利になります。
これだけでもかなりの効果が期待できます。

 負荷遮断信号(無電圧接点)を利用して、負荷を自動的に入り切りすれば人手が不要になります。(自動制御)
しかし、このためにはかなりの投資が必要となります。それから、そんなに何時でも入り切りできる負荷は、そう多くはないと思われます。
 現時点で一番多く制御の対象とされているのが空調機です。そもそもデマンドのピークを作っている要因でウエイトが高いのが空調機(エアコン)なのですから、これを対象にするのが正攻法ともいえます。
その方法は、いくつかの方法がありますので別のテーマのところで詳しく説明したいと思います。


<2013/01/28 追記>
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<以上>

<2013/04/19 追記>
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<2014/08/25 追記>
 電力と電力量を混同しているのをよく見かけます。 「電力と電力量」で説明しておりますので、ご参照ください。

<2015/01/09 追記>
 デマンド管理をもう少し詳しく説明しております。 ⇒ 「デマンド管理による省エネルギー

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