☆空調温度管理方式と空調機制御方式−その2(サーモスタット)☆
室温サーモスタット(室温調節器)の動作を簡単に説明します。サーモスタットは、下の概略図のような構造になっています。
室内温度の高低によって、感温筒内の気体圧力が変化します。これをダイヤフラムを通して接点スイッチをON/OFFさせています。
室温が低いとスイッチを押す力が弱いので、ばねに引かれて暖房側の接点がONになります。温度が高くなるとスイッチを押す力が強くなり、冷房側の接点がONになります。
接点の片方は冷暖房切替スイッチ、もう一方は圧縮機をON/OFFするマグネットスイッチのコイル(51C)につながっています。
冷暖房切替スイッチが冷房を選択されている場合には、室温が上昇するとHの方向に力が強まり、ある温度(設定温度+1℃付近)になると冷房側の接点がONになります。
そうするとマグネットスイッチのコイル(51C)に電流が流れマグネットスイッチがONになり、圧縮機が運転します。
逆に、室温が下がるとH方向の力が弱まり、ある温度(設定温度−1℃付近)になると冷房側の接点がOFFになります。結果、圧縮機が停止して送風運転になります。
このようにして、設定温度のある範囲(この場合±1℃)で温度を維持するような仕組になっています。
サーモスタットは室内温度を設定温度に維持する役割を果たしますので、冷房の設定温度を低くすれば省エネにはなりません。
温度管理するためには温度設定を変えられないようにすれば可能です。よくみられるのが、温度調節ツマミを外して物理的に動かせなくするという方法です。
また、下図のように外部にサーモスタットの役割をするユニットを取付けて空調機(エアコン)のサーモスタットの肩代わりをさせる方法もあります。
ユニットが室温を検知して、集中管理された設定温度と比較して動作させることで空調機の集中温度管理ができるようになります。
空調機に採用されているサーモスタットは、上図のように2段式のものが多くみられます。
2組の間には、OFF→ON(OFF→ON)になる温度差(2℃程度のものが多い)があり、冷暖房能力に強弱(比較的容量の大きい空調機で、内部に2台の圧縮機を搭載しているものがあり、設定温度と室温の差が大きい場合に2台の圧縮機を同時に運転して
強力運転し、温度差が小さくなると1台の圧縮機だけ運転する)をつけるために使用されています。
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