第86話 子供手当について
少子化対策の一環として子供手当の創設が議論されております。私も少しばかり噛み付いてみたいと思います。
現在子育て中の親にとって子供手当がもらえるならば、家計的には確かに助かることでしょう。だからといって、もらえるから子供を持とうとか
更にもう一人持とうとか考える親がいったいどれくらいいるものでしょうか?
私はごく小数でしかないと思います。現状の社会情勢を思えば、将来に対する不安が先にたってしまいます。
将来に対する不安を解消することが何よりの少子化対策であると思うのは私だけでしょうか。
そもそも税金は、国家が国民から徴収し、国民のために使うものです。
当然のことながら同じ使うなら効率的・効果的に使う必要があります。広く薄くばら撒くならば、何の意味をも成しえません。
前政権がやった定額給付金(バラマキ給付金)と変わるところが無いように思います。税金を取って、返すなら最初から取らなければ済む話です。
二重に手間が掛かるだけの話です。
子供手当を支給するならば、手当額にみあう金額の税額控除をすれば徴税段階で解決してしまいます。そうすると子供手当支給に関する事務作業は
不要となり、その分の経費が削減できます。こういうことを指摘するのが事業仕分と言うのではないでしょうか?
ましてや所得制限などしようものなら、その事務手続きは複雑繁多なものとなってしまい、事実上運用できないものとなってしまうでしょう。
低所得者はどうするかといった反論が出てくるでしょうが、それは別に制度設計すれば済むことです。今でも生活保護ですとか色々な社会福祉制度があります。
この中に組み込むことで解決法はいくらでも考えられると思いますが、如何でしょうか?
一旦、子供手当が開始されてしまうと、政権が変わったからといって「さぁ、止めます。」ということが大変に困難になります。
国家財政が危機に瀕している中で、将来に禍根を残すようなことは極力避けなければならないのです。
特に、あまり効果が期待できない政策に多額の予算(初年度2兆2500億円、その後4兆5000億円程といわれている)を注ぎ込むのは如何なものかと思います。
国民は、広く薄くばら撒くことに期待していないと思います。むしろ少ない予算で最大の効果が得られるような施策に対する重点配分を望んでいると思います。
そして国民は増税が避けて通れないことも理解していると思います。しかし、その税金が無駄なものに使われてしまうと考えているからこそ、将来の不安が拭い去れないのです。
ちゃんと国民のために使われていると思えるならば、そういった不安や苛立ちを感じなくなると思います。
政治や行政への信頼なくして希望のもてる将来がないであろうことは誰しも共通の認識ではなかろうかと思います。
2009/12/17新規
|