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第51話 ウォータービジネスについて

 ウォータービジネスと一口に言っても色々なものがあるとは思います。

 例えば水を美味しくするなどといった装置やその他水まつわる様々なビジネス (「水商売ウォッチング−商売のために科学を騙るな」 に詳細な情報が満載されています。)もその一つですが、今回は飲料水を供給するビジネスについて話を進めてみたいと思います。

 先日、NHKの番組であったと思いますが、ウォータービジネスの特集が放送されておりました。
欧米は巨大なウォータービジネス企業がワールドワイドに展開しているが、日本は非常に遅れているといった内容のものでした。
 その要因として、日本の場合には水道事業が公共事業として位置づけられており、地方公共団体乃至は公営企業に独占されていることが挙げられておりました。 だから効率的な運営ができない。そして公共事業として独占的地位を与えられているから私企業が育たないといった主張がなされておりました。
 確かにそういった側面もあろうかと思います。 しかし水道は社会生活あるいは企業活動にとって無くてはならないライフラインです。果たして一営利企業に依存してしまって良いのでしょうか。 企業は当然のこととして利益を追求します。その結果として、企業の社会的責任が疎かになり、安全性までもが脅かされることとなってしまうのは、 過去多くの事例をみれば明らかなことでしょう。
 適正な競争原理が働けば、適正な価格や品質が維持できるでしょう。しかし、このような企業が同一地域に複数存在することは不経済です。 既存の上下水道施設(配水設備などを含めて)が複数企業で共有できて、需要家は任意の企業と契約できるようにしなければ、企業毎に上下水道施設が必要になります。
このようなことは現実的ではありませんので、結局のところは強者が勝ち残り地域独占企業になってしまいます。

 このような大々的なビジネスが日本で展開できるか、その必要があるかは議論の分かれるところでしょう。

 現在、日本におけるものとしては、「地下水の飲料水化」ビジネスがあります。井戸水を汲み上げ、浄水化プラントによって飲料水に適するようにして、 需要家に販売します。つまり、水の計り売りみたいなものです。
 井戸の掘削費用やプラントの設置や維持管理は全て供給会社が行いますから、公共の上水道より安い単価で供給されれば、同じ水量を使用してもコストダウンになります。

 このようなビジネスが進展してくれば、公共事業も安穏としておられなくなり経営合理化等々が進むものと思われます。 現状では、欧米のようなウォータービジネス企業のようなやり方ではなく、 このような方法によって少しでも風穴を開けていくことがベターな選択と言えるのではないかと思います。

 100%公共事業に依存する非効率性を100%営利企業に依存しないシステムを採用することによって、段階的に改善できるようになるのではないかと考えます。

2009/02/07新規

2009/03/16更新


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