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第104話 太陽熱温水器について

 近年、太陽光発電が大いに注目されている陰に隠れて、太陽熱温水器の存在が薄れつつあるように思います。
太陽熱温水器は太陽光の熱エネルギーにより直接水を加温し風呂などの給湯に利用するもので、太陽エネルギーの変換効率は、50%以上ともいわれております。 また、耐用年数も20年前後と耐久性に優れております。
太陽光発電に比べればローテクかも知れませんが、省エネの観点から言えば、全くの優れものです。例えば、太陽光発電の場合、セルの効率が10〜20%程度、パワーコンディショナーの変換効率が 94〜97%程度ですから、太陽熱温水器が如何に高効率かお分かりいただけるものと思います。更に、耐用年数はセルは15年以上といわれておりますが、パワーコンディショナーは 10年程度のものではないかと思われます。

 太陽光発電のメリットは、直接電力を生み出すことができる点にあります。電力は最も融通が利くエネルギーです。熱にもなれば光にもなるし動力源にもなります。 そして余剰電力は売電することもできます。
しかしながら、太陽熱温水器は温水しか作れません。夏場はそれこそ使い切れない位の熱湯が供給できますが、冬場では不足して追炊きが必要になります。曇りや雨の日には 全く加温できないこともあるでしょう。即ち、エネルギー源として不安定なのです。
 太陽光発電の場合でも日照時間や強度に左右されることは同様ですが、余剰な電力は売電し、不足分は買電するように自動的になっておりますので、 発電量が如何ほどかを全く気にする必要はありません。
 一方、太陽熱温水器の場合には、水温が如何ほどかを気にする必要があります。いきなり風呂に飛び込んだら水風呂だったなどという目にも遭いかねません。 しかしながら太陽熱温水器は、それらの不便さを補っても余りがあるものと思います。
 少々の不便さには目を瞑り、太陽熱温水器の普及を推進しようではありませんか?

 太陽熱温水器のメーカーも色々と工夫をされており、給湯ボイラーと太陽熱温水器を組合わせたハイブリッド型の製品などもあります。 これならば給湯システムとしては、何ら遜色はないでしょう。
 今後は、太陽熱を利用した冷暖房システムなども登場してくるに相違ありません。冷暖房の熱源として直接太陽エネルギーが利用できるとすれば、電気に比べて遥かに 高効率のシステムができるものと考えられます。当然に廃熱は給湯の熱源に利用するようにして、さらなる総合効率のアップを図るようにもできるでしょう。

 また、太陽電池のセルは温度上昇とともに発電効率が低下します。水や冷媒を循環させてセルを冷却し、これで加温するような太陽光発電と太陽熱温水器とのハイブリッド も登場してくるかも知れません。

 今回は、年頭にあたり少々希望的観測が入った夢物語をさせていただきました。
ただ、太陽熱温水器は夢物語ではなく現実的な話です。少々不便でも構わないとお考えであるならば、是非ともご検討ください。

2011/01/02新規


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